時計の風防の実用性とデザイン
ただのガラスじゃない!時計の風防
時計の風防とは
"風防”といわれてもピンとこない方は多いかと思います。
一般的な言い方をすれば"ガラス”です。
一般の方は“ガラス”で通じるのだからそれでいいんじゃないの?って思うかもしれません。
しかし、実際には通常の“ガラス”が時計の風防として使われるとことはまずないでしょう。普通のガラスはすぐに割れてしまうからです。
風防の役割
風防には様々な役割があり、極めて実用性の高いパーツであるといえます。
水や湿気、埃の侵入を防ぐ
衝撃やキズなどから文字盤を守る
光の反射を抑え視認性を高める
紫外線をカットして文字盤の色あせを防ぐ
この他にも拡大ガラスをカレンダー部分に設置することで日付を見やすくするといった役割もあります。
風防のデザイン
デザインにおいても見た目の印象を大きく変えるパーツです。
大きく分けて形状は"フラット型”、"ドーム型”の2種類です。どちらが採用されているかで時計の印象は全く変わってきます。
※写真はドーム型の風防です。
フラット型の特徴
- 視認性が高い
- シャープ、スポーティーな印象
ドーム型の特徴
- 視認性が低い(ゆがみ光の反射が生じる。見る角度によってゆがみは変わる)
- クラシカルで温かみのある印象
- 成型には高い技術が必要(素材がサファイアクリスタルの場合)
- パーツ自体の価格が高い
風防の素材
風防に使用される素材は大きく三つに分けられます。
- サファイアクリスタル
- ミネラルガラス
- プラスチック
それぞれの特性について見ていきましょう。
サファイアクリスタル
- 硬い(ダイヤモンドの次に硬いとされる)
- 透明感が持続する
- キズがつきにくい
- キズがつくと取りにくい
- 加工しにくい
- 高級なモデルに採用
ミネラルガラス
- サファイアクリスタルに比べて柔らかい
- 割れにくい
- 温かみのある素材
- 比較的加工しやすい
- 比較的安価な素材
プラスチック
- キズがつきやすい
- キズを消しやすい(小キズ程度なら自分で消すことが可能)
- 加工しやすい
- 安い
- 劣化しやすい
- アンティークの時計に採用されていることが多い
まとめ
風防はただのガラスではなく、実用性、デザイン、見た目にも大きく関わってくる重要なパーツです。時計選びの際は要チェックです。
現行モデルの高級な腕時計はほとんどがサファイアクリスタルが採用され風防には最も適した素材であるといえます。
デザイン(フラット型かドーム型か)は好みの問題だと思います。
ドーム型は確かに視認性が低くなりますが、実際、時間が確認できないほどのことではありません。
個人的には遊び心のあるドーム型を採用したモデルに惹かれます。
私がここ最近実際に見て一番ほしいと思ったのがオリス ダイバーズ65です
50年前のモデルの復刻モデルでかなり大きくカーブしたドーム型の風防が採用されています。